節分(せつぶん)

節分に豆まきをするのはなぜ?神社やお寺での珍しい節分行事もチェック!!

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毎年、神社やお寺で「節分」の行事を、テレビなどのニュースで取り上げられているのを、ご覧になる機会があると思います。

神社であれば「節分祭(せつぶんさい)」、お寺であれば「節分会(せつぶんえ)」と呼び名は違うものの、有名どころであれば、芸能人や力士、著名人が豆まきをして賑(にぎ)わいますよね。

今回は、節分祭(会)についてと、全国でも有名な節分行事を行なう神社やお寺を、ご紹介します。

1 「節分」とは

「節分」とは、季節の変わり目の事を指す「立春(りっしゅん」、「立夏(りっか)」、「立秋(りっしゅう)」、「立冬(りっとう)」の”前日”を表す言葉でした。

豆知識

国立国会図書館
・二十四節気(にじゅうしせっき)
https://www.ndl.go.jp/koyomi/chapter3/s7.html

・節分(せつぶん):
元は四季にあったが、後に春だけについていわれるようになった。立春の前日のことで、邪気を払う行事がなされる。

中でも季節の始まりである「立春」を特に大事にし、江戸時代からは立春の前日のみ、節分行事が行なわれるようになりました。

今の暦(太陽暦)が使われる前、立春=新年だったのでしょう。
なので、立春の前日の節分=大晦日(おおみそか)にあたります。

神社やお寺では、立春前日の節分に厄(やく)を祓(はら)って、新たな年を迎えようという事で、節分行事を行ないます。

神社では「節分祭(せつうぶんさい)」、お寺では「節分会(せつぶんえ)」と良います。何をするかというと、追儺(ついな)と豆まき(豆打ち)がメインで行われます。

2 なぜ、豆をまくの?

「追儺(ついな)」とは、鬼を桃の木で作られた弓矢や棒などで追って、悪いものを退けようとするもの。「おにやらい」とも呼ばれています。

「豆まき」とは、炒った大豆を鬼に向かってまき、鬼を払うものの事。穀物には魔除けの意味があると考えられていて、豆まきには「炒った大豆」を使います。

なので、豆まきも「追儺(ついな)」の一種で、一般には「節分」=「豆まき」で知られています。

そのまんまの大豆ではダメなんですね。

なぜなら「魔目(まめ)を射る」という言葉とかけているので。

一見、言葉遊びのようですが、日本では「言霊(ことだま)」を大切にしています。

そのほか一般家庭では、「ひいらぎの枝に、イワシの頭を刺して家の扉に挟む」事で魔除けになるという、「やいかがし」という風習もあります。

節分というと「鬼」が出てきます。
幼稚園や保育園で、子ども達が鬼のお面を作り、持ち帰ります。

鬼が出てくるのは、なぜでしょうか。

元々、鬼とは「影」や「隠(おぬ)」という、<目には見えない恐ろしいもの>を表したもの。病気や災害などの悪いものはすべて、「鬼の仕業」であると考えた事から、節分で追儺(ついな)や豆まきで鬼を追い払う事で、新しい年(立春)を気持ちよく迎えようとしたのでしょう。

そのため、節分の日に合わせ、厄除祈願祭(やくよけきかんさい)が行われる神社、お寺もあります。

3 豆まきだけじゃない?!古式の「追儺(ついな)」などちょっと珍しい節分行事をする神社・お寺

節分というと、有名人が来て豆をまくのはテレビなど、ニュースで見かけます。いわゆる「追儺(ついな)」は見られないのでしょうか。

豆まき以外の「追儺(ついな)」をする神社やお寺を調べてみました。

・三峯神社(埼玉県)

1月下旬に「豆炒り(まめいり)神事(しんじ)」を行ない。節分では、長さ1メートル余の檜(ひのき)のすりこぎ棒型の物で、その頭に注連縄(しめなわ)をまき、根もとには蜜柑(みかん)二個をさげた「ごもっとも様」を、「福は内!」と唱えて豆をまくと、後にひかえた添人(そえひと)が、大声で「ごもっともさま」と叫びつつ、巨大なごもっとも様を前上方(まえじょうほう)に突き出すというもの。

別名「ごもっともさま」と呼ばれています。

三峯神社(埼玉県)
http://www.mitsuminejinja.or.jp/index.htm

・浅草寺(東京都)

節分の行事を、江戸で最初に大々的に行なったのは、浅草寺だという事をご存じでしょうか。浅草ゆかりの芸能人による豆まきのほか、「福聚(ふくじゅ)の舞(七福神の舞)」の奉演(ほうえん)があります。浅草寺のご本尊は、「聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ)」で、「観音さまの前には鬼はいない事」にちなみ、「鬼は外」とは言わず、「千秋万歳(せんずまんざい)福は内」と発声するのがならわし。

浅草寺(東京都)
http://www.senso-ji.jp

・箱根神社(神奈川県)

箱根神社で豆まきの後、逃げる途中で鬼が水上スキーでひと暴れ?!芦ノ湖でも豆まき神事を行ないます。境内(けいだい)では「わかさぎ祭り」も同時開催!ご神事の様子が公式サイトに詳しく掲載されています。

箱根神社(神奈川県)
http://hakonejinja.or.jp

・吉田神社(京都府)

節分の当日を中心に、前後3日間に亘(わた)って執(と)り行(おこな)われます。古式にのっとった「追儺式(ついなしき)」が行われるほか、独特の厄除け法である「疫神祭(えきじんさい)」や、京の夜空を火柱が焦がす「火炉祭(かろさい)」があります。

吉田神社(京都府)
http://www.yoshidajinja.com/index.html

・八坂神社(京都府)

節分の前日と当日に執り行われます。4つの花街(かがい/はなまち)の舞妓(まいこ)・芸妓(げいぎ)による舞踊(ぶよう)奉納があり、舞妓による豆まきも行われます。

八坂神社(京都府)
http://www.yasaka-jinja.or.jp

・廬山寺(京都府)

別名「鬼おどり」、護摩供(ごまく)の修法(しゅほう)が執り行われている中、それを邪魔するように赤鬼・青鬼が登場、護摩供や法弓(のりゆみ)、蓬莱豆(ほうらいまめ)及び福餅(ふくもち)の威力に追われ、鬼は門外へ逃げ去ります。当日は秘佛(ひぶつ)の特別開帳もあります。

廬山寺(京都府)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~rozanji/index.html

・日吉大社(滋賀県)

豆まき神事の前に、鬼門・裏鬼門に向けて弓矢を放つ「放射の儀」が行なわれる神社です。

日吉大社(滋賀県)
http://hiyoshitaisha.jp

・長田神社(兵庫県)

神の使いである7匹の鬼が、松明(たいまつ)の炎で災いを焼き尽くし、太刀(たち)で不吉を切り捨て、舞い踊る「古式追儺式(こしきついなしき)」が行われます。

長田神社(兵庫県)
http://nagatajinja.jp/html/

・防府天満宮(山口県)

生きた牛「神牛」が当るという全国的にも珍しい神事です。くじにより御神幸祭(ごじんこうさい)の神牛役(かみうしやく)を定め、牛が当たった人は、御神幸祭まで神牛(かみうし)を飼育する事になります。そのほか金、銀、銅製牛置物の他、寄贈された数千点の景品が用意され、新春の福運(ふくうん)を占い願う参拝者で賑(にぎ)わいます。

防府天満宮(山口県)
http://www.hofutenmangu.or.jp/index.html

・須佐神社(島根県)

蘇民将来(そみんしょうらい)の古事にならい、節分に「茅の輪(ちのわ)」と「蘇民将来之子孫」と記した守護札が授与されます。参拝者は「茅の輪」を首にかけて持ち帰り、玄関や入り口に掲げ、疫病除(やくびょうよ)け、悪災疫除けの神符(おふだ)としています。夏越(なご)しの祓(はらえ/はらい)と年末の大祓(おおはらい)で、「茅の輪くぐり」を行なう神社が多い中、節分に「茅の輪」を授与するのは、全国でこの社(やしろ)だけのようです。

須佐神社(島根県)
http://www.susa-jinja.jp

<番外編>

最後にご紹介するのは、群馬県の「鬼恋節分祭」。

群馬県藤岡市鬼石では、全国でも珍しい追い払われた鬼たちを招き入れる。節分祭りがおこなわれます。こちらは神社やお寺ではなく、地域のイベントです。地名をうまく活かしたイベントですね。

群馬の情報サイト「We ? 群馬」より
https://we-love.gunma.jp/area/onikoi

いかがでしたか。

豆まきご神事以外もある神社やお寺をご紹介しました。

他にも色々な神社やお寺で執り行われますが、今回は公式サイトがある神社とお寺のみご紹介しています。気になる神社やお寺がありましたら、公式サイトをご覧になってみて下さい。

ご近所の神社やお寺でも、もしかしたら節分行事があるかもしれません。あってもなくても、節分の夜に炒り豆で「鬼は~外、福は~内」をしましょう。立春を迎える前に厄を祓って、すっきりと春を待つと良い事が訪れるかもしれませんね。

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