節分にいわしを飾る風習をご存知でしょうか。実は、いわしは鬼が苦手とする臭いなのだとか。豆まきや恵方巻きに比べて知られていない「節分といわし」の由来について調べてみました。
1. 節分と言えば、豆まきや恵方巻き
毎年、お正月を過ぎるとスーパーに並び出すのが節分の豆や恵方巻きの予約。その隅に、お飾りとしていわしが売られている事をご存知でしょうか。お店でも特にわかりやすいポップが設置されていないので、おそらく、「何、あれ?」と通り過ぎている人も多いかもしれません。
本来、節分は春夏秋冬の4回あるのですが、豆まきなどの行事として存在するのは「春」のみ。立春の前日が節分になり、だいたい2月の頭にあります。
暦により若干のズレはありますが、2月3日に節分の日が来る事が多いようです。たまに2月2日が節分になる事もあるため、節分=2月3日ではありません。
行事としてあるのが「春」のみなのは、おそらく春の始まり=1年の始まりとして考えられているからでしょう。お正月でも「新春」と表記される事が多いですよね。
旧暦では新年は立春からになります。つまり、旧暦において立春前の節分は、「大晦日」という事になります。
冬から春への切り替わりで混沌とした状態に、「魔」が入りやすくなるため、邪気=鬼を払う豆まきが伝統行事として残っています。
豆知識
ちみもうりょう)、人を一事に熱中させるもの(例:詩魔)や一事に偏執すること(例:電話魔)などを指す。
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2. 知っている人は知っている?!節分にいわしを飾る事
この時期、玄関の扉脇にいわしが葉っぱとともに飾られているのを、見た人もいると思います。それでも昔に比べたら、かなり減ってきたようなのですが…
節分では豆をまいて鬼に見立てた邪気を払う。それはかつて、焼いたいわしの頭を柊(ひいらぎ)の小枝に刺し、家の玄関に飾って魔除けにしていたというのが、節分の恒例でした。
いわしを焼くと臭いが強烈。鬼も嫌がるいわしは、日本では平安時代から好まれており、恋多き生涯を送った事で有名な歌人・和泉式部もいわしが大好物だったそうです。
節分の日はいわしを飾るだけではなく、地域によってはいわしを食べる風習もあるのだとか。
現在では節分の日の食べ物としては、恵方巻きの方が知られているように感じるのは、私だけでしょうか。
3. 節分にいわしを飾る由来
「節分いわし」とも呼ばれていますが、これは「いわし」の頭を柊(ひいらぎ)に刺して玄関などの入り口に飾る事で、鬼=邪気を払うというもの。
いわしは焼くと臭いが強く、その煙を鬼が嫌うと言われています。頭部分を使うのは、その部分を使うと臭いが強くなるからなのだとか。
また、柊(ひいらぎ)に刺す理由は、柊(ひいらぎ)のトゲが鬼の目に刺さって家に入れないようにするためだそうです。
昔は、柊(ひいらぎ)はよく見かけた記憶があります。トゲがあるので、もしかしたら、それがある意味では防犯になっていたのかもしれません。
この風習が元でできた諺(ことわざ)が、『いわしの頭も信心から』です。
意味は
4. まとめ
地域によって、いわしを食べたり飾ったりするようで、全国的にみんなが知っているものではない「節分いわし」。由来を知る事で「なぜ、その商品が売られているのか」を知るのは興味深いですね。
今では全国あちこちに転勤する時代。もしかしたら地域のみに根付いていた風習も、良いものであれば、少しずつ取り入れていくようになるかもしれませんね。